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2019年7月 8日 (月)

2019年7月3日「水素関連産業の振興について」質問しました!

 民主県政クラブ県議団の堤かなめです。

 本日も九州各地で、大雨による被害が心配されております。温室効果ガスの増大が引き起こすとされている異常気象、大規模災害は、地球規模の問題であります。その長期的ではありますが根本的な解決につながることを願って、水素関連産業の振興について、お聞きします。

 水素はほぼ地球上に無限に存在し、電気と違って貯めて運ぶこともできます。水素の製造過程で、温室効果ガスを排出するのではあまり意味がありませんが、風力、太陽光、水力などの再生可能エネルギーを使って、水から「水素」をつくることができれば、まさに理想のクリーン・エネルギーとなります。

 また、わが会派の代表質問において述べましたように、水素燃料電池の普及は、再生可能エネルギーの供給変動による問題、出力制御の問題も解決できる可能性も高めます。なぜなら、再生可能エネルギーの供給源から発生した電気を水素に変換することにより、エネルギーを大きなタンクに貯蔵し、必要に応じて再び放出することができるからです。  

 さらに、再生可能エネルギーを利用した「水素社会」が実現すれば、自国でエネルギーを賄う「エネルギーの自給自足・地産地消」が可能となります。現在、我が国は、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料をほぼ全量を輸入しており、その総額は年間約16兆円にのぼります。最近何かと話題の年金の税負担分が約13兆円、文部科学省予算が約5兆円であることと比較すると、この16兆円がいかに巨額かがわかると思います。「水素社会」が実現し化石燃料の輸入を減らすことができれば、国の富の流出を防ぎ、国民・県民の暮らしをもっと豊かにできることになります。すなわち、水素エネルギーは、環境やエネルギー、産業といった政策分野の課題解決にも有効であると考えています。

 

〇質問1

 そこで、お聞きします。県では、水素エネルギーにいち早く着目し、全国に先駆けて取り組みを行ってきたところですが、水素エネルギー分野における本県の強みについて、改めてご説明願います。

 

答1

・九州大学には、「水素材料先端科学研究センター」(ハイドロジーニアス)など4つの研究機関が集積しており、世界最先端の研究が行われています。

・また、本県には、金属加工や電子部品製造、ゴム製造など、水素分野に高い潜在力を持つ「ものづくり企業」が集積しております。

・さらに、糸島市の「水素エネルギー製品研究試験センター」(ハイトレック)では、高圧水素ガスを使用した多様な試験や、水素ステーション用大型タンクの耐久性試験ができる設備を備え、企業の製品開発を支援する体制が整っており、県内企業はもちろん、全国の企業から広くご利用いただいております。

・このように、基礎研究から製品開発、開発した製品の試験に至るまで一貫して担えることが、本県の強みであると考えます。

 

〇質問2

 水素エネルギー分野の本県の強みについて、理解できました。言うまでもなく、自動車関連産業も本県の強みであります。

 近年では、世界各国では急速にガソリン車から電気自動車(EV)への転換、いわゆるEVシフトが起こっています。その勢いに押され、水素燃料自動車(FCV)の存在感は薄れがちではないかと思っておりました。しかし、FCVの車は、EVに比べて、充填にかかる時間が短く、1回の充填によって走行できる距離が長いという利点があります。したがって、中国・米国・欧州大陸など、都市間の輸送距離が長い国では、FCVが優位になる可能性があります。実際に、欧米の自動車メーカーは、FCVの販売を立て続けに発表し、アメリカのカリフォルニア州や中国でも、FCVの大幅普及を目指しているとのことです。

 このようななか、本県が、全国に先駆けて、水素に着目し、FCVの普及に向けて様々な施策を展開してこられたことは、高く評価したいと思います。また、現在、県内には110台のFCVが走っており、10か所に水素ステーションが開設されているとのことです。

 そこで、今後、FCVのさらなる普及に向けてどのような取り組みを行っていくのかお聞かせください。

 

答2

・委員ご指摘のとおり、FCVは、同じく環境性能に優れるEVとともに、それぞれが持つ優位性により、すみ分けが進み、将来普及していくと考えています。

・県では、引き続き、県内各地でFCVの展示や試乗会を行う「ふくおかFCVキャラバン」や、それを九州各県に拡げた「九州FCVキャラバン」を実施し、FCVの認知度向上を図るととおに、民間事業者の水素ステーション整備を働きかけるなど、FCVの普及とそれに不可欠な水素ステーションの整備を一体的に進めてまいります。

 

〇質問3

 次に、水素関連産業の育成についてです。

 いまや水素で走るのは、車だけではなくなってきています。再生可能エネルギー由来の水素で走る船や鉄道の研究開発が、世界各国で進められており、船舶や鉄道の世界にも水素の波が押し寄せつつあるとのことです。

 報道によれば、トヨタが支援する船舶、エナジー・オブザーバー号は、太陽光・風力・水力発電を利用して、海水から水素を取り出すことが可能となっており、世界で初めて、水素を自給自足する燃料電池船として航海できる船ということです。

 また、フランスのアルストム社が開発した、世界初の水素をエネルギーとする燃料電池列車が、昨年、ドイツで実用化され営業運転を開始しました。2021年からはドイツ国内でさらに14車両の水素列車が運行される見込みとのことです。ドイツでも、地方の運行本数の少ない路線で電気の架線を設置・維持するのは無駄が多いため、そのような路線では現在もディーゼル車が多く利用されていますが、水素で走る列車が導入されれば、架線がない場所でも環境に優しい列車の運行が可能となります。

 我が国でも、先月4日、JR東日本(東日本旅客鉄道)は、水素燃料電池で走る列車を開発し、2020年代半ばの実用化を目指すと発表しました。

 本県としても、全国に先駆けて水素エネルギーに着目し、「水素先進県」、フロントランナーとして、水素関連産業の振興に取り組んでこられましたことは高く評価したいと思います。

 そこで、水素関連産業に、県内企業が参入し、ビジネス展開を成功させ、成長していることも重要であると考えますが、県はどのような支援策を展開しているのかお聞きします。

 

答3

・県では、産学官で設立した「福岡水素エネルギー戦略会議」を中核に、研究開発や産業育成などに取り組んできました。

・県内企業に対しては、①水素エネルギー分野への参入機運を高めるためのセミナー等の開催②技術アドバイザーや工業技術センターによる技術支援③新製品開発を後押しする製品開発助成④完成した製品のビジネス展開を支援する大規模展示会への出展や、メーカーとのマッチングを図る技術提案会の開催など、啓発から技術開発、製品開発、販路拡大まで一貫した支援を行っているところです。

 

〇質問4

 県内の水素関連産業の育成に、本県が精力的に取り組んでいることがわかりました。

 では、県内企業の製品化の状況についてお聞かせください。 

 

答4

・本県には、自動車関連企業をはじめ、優れた技術をもつものづくり企業が数多く集積しております。

・こうした企業の持つ技術シーズを生かし、①FCVの水素充填部の部品、②水素ステーション用の高圧水素配管用部品や各種センサー、③エネファーム用の主要部品、④高い耐久性を有した高圧水素用ゴムパッキンなど、これまでに19件が製品化されております。

 

〇質問5

 19件が製品化されているとのことで、評価に値するかと思います。

 では、今後の県内企業のさらなる育成のために、どのように取り組んでいくのかお聞きします。

 

答5

・現在、CO2排出量が多く、その対策が課題となっている物流分野に着目した水素関連メーカーでは、物流施設向けの多様な水素関連製品の開発が進められております。

・このため、今年度からは新たに、①水素関連メーカーと連携し、新製品の開発状況に応じて、参入意欲がある企業を対象とした参入研究会を開催するほか、②県内物流施設における水素関連製品の普及を図るため、物流施設の現状や、製品導入可能性の調査に取り組む考えです。

 

〇質問6

 物流分野においては、とりわけ可能性が大きいということですね。

 さて、すでにご案内のように、日本は、エネルギー資源の多くを輸入に頼っています。日本のエネルギー自給率はおよそ8%で、OECD35カ国中34位。このように資源を他国に依存する日本のエネルギー事情は、どうしても国際情勢の影響を受けやすいという課題を抱えています。

 そして、先にも述べましたが、出力変動が大きい再生可能エネルギーを安定的に、また有効に利用するためには、長期間の貯蔵が可能な水素に変えて活用する方法が非常に有望です。再生可能エネルギーを利用した水素は、温室効果ガスゼロ、CO₂フリーであり、私としては、エネルギーや交通、日常生活において、再生可能エネルギーを利用した環境価値の高い水素が本格的に利用される「水素社会」が早期に実現することを期待しています。

 そこで、最後に、来たるべき水素社会に向けて、県は水素関連産業の振興にどのように取り組んでいくのか、岩永部長の決意をお聞かせください。

 

答6

・国においては、平成29年(2017年)12月に「水素基本戦略」を策定、今年3月には「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を改訂し、FCVやエネファームなどの普及目標を掲げました。この中で、製品の価格や水素供給コストの低減のための具体的な取り組みが明らかにされております。こうした流れを受け、今後、水素関連製品の大幅な普及が期待されるところです。

・県といたしましても、この国の戦略のもと、FCVの普及と水素ステーションの整備の一体的推進など、水素関連製品の普及促進に取り組んでまいります。

・また、製品の普及に伴い、本県企業のビジネスチャンス拡大も期待されます。

・県としましては、優れた技術力を有する県内ものづくり企業に対し、技術開発から販路開拓まで一貫した支援にしっかりと取り組み、水素エネルギー産業の振興を図ってまいりたいと考えております。

*正式な質疑の内容は、福岡県議会ホームページを参照してください。

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