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2017年3月22日 (水)

2017年3月17日予算特別委員会「女性研修の翼の継続について」

 まず「女性研修の翼」事業の背景である男女共同参画の現状についてお聞きし、それを踏まえ、「女性研修の翼」の継続について質問いたします。

福岡県は、2001年(平成13年)に「福岡県男女共同参画推進条例」を制定し男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会の実現に向け、「福岡県男女共同参画計画」を策定し、関連する施策を総合的、計画的に推進してきました。

そして昨年度、県は、男女共同参画の一層の推進を図るため、これまでの計画の成果、現状や課題、社会の新たな動きなどをふまえ、5年間を計画年度(平成28年度~平成32年度)とする、「第4次福岡県男女共同参画計画」を策定しています。 

しかし、このようなご努力にもかかわらず、男女共同参画の実現は、依然として厳しい状況にあると言わざるを得ません。

そこで、【資料1 日本、福岡県における男女共同参画の状況について】【資料2 福岡県女性海外研修事業「女性研修の翼」について】の作成を予め執行部に依頼しておりますので、委員長のお取り計らいのほど、どうぞ宜しくお願い致します。

【問1】資料1の説明をお願いします。

「gender_gap_index.pdf」をダウンロード

 

 

【答1】

〇日本は、今年144カ国中111位、前年は101位ということで、国際的にみても低い水準にある。

〇県や市町村の職員における女性の管理職への登用は、年々進んでおります。福岡県では、県総合計画に定めた「管理職に占める女性管理職の割合を平成28年度(2016年度)までに6%にする」という目標を2年前倒しで達成。また、県内事業所における管理職にしめる女性の割合も増加しており、平成25年度(2013)年度で、課長相当職以上が13.9%となっており、いずれも1割前後という状況。

 

ジェンダー・ギャップ指数とは、世界経済フォーラムが2006年以降毎年公表しているもので、「女性活躍」の掛け声とは裏腹に、我が国の男女格差は、縮まらず、2015年が101位、2016年が111位と、10位も順位が下がっているわけですね。

この10年、世界各国で「女性活躍」が急速に進んでいますが、日本ではそのスピードが極めて遅く、他の国に追い越されるという形で順位が下がっているのだと思います。

午前中、松下委員の少子化対策についての質疑がございました。世界的にみると、女性の就業率上昇にともない、いったんは出生率が下がるものの、女性管理職の増加、働き方改革、ワークライフバランスの進展など男女共同参画がさらに進展するにつれ出生率が回復する、という相関関係があると言われています。したがって、少子化対策という点からも男女共同参画は重要な施策であります。

しかしながら、本県でも、着実にじわじわと、女性管理職が増えてきているのは確かですが、そのスピードが遅すぎると言わざるをえません。

【問2】では、国が掲げている「202030」についてご説明ください

 

【答2】

〇「202030」とは、「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標」のことです。2003年(平成15年)、国の男女共同参画本部において決定し、2010年(平成22年)、閣議決定されたもの。

 

そもそも、1985年にナイロビで開かれた世界女性会議では、各国で2000年までに、指導的地位の女性を30%とする、「200030」とされていました。日本の「202030」という目標は、この世界的な目標2000年から20年遅れの2020年を目標として設定したものなのです。ですから、この目標すら達成できないということにならないよう、県として、本気で取り組んでいただくことを要望しておきます。

【問3】では、ここで、福岡県海外研修事業「女性研修の翼」の目的と、概要、その実績について説明願います。

 

【答3】

○地域や企業等で積極的な活動を行っている女性を海外に派遣し、外国の各種制度、施設の視察、調査や、人との交流等を通して、国際的視野をもって活動できる人材を育成し、本県の男女共同参画推進に資することを目的としております。

○これまで689人の団員が参加されてまいりました。研修後、団員は、県や市町村審議会委員、市町村議会議員、企業の役員等の指導的立場にある役職に就かれ、様々な分野で活躍していただいています。

 

 団員のうち211人の複数回答でありますが、417人が、研修参加後新たに指導的地位についている、ということですね。私も、個人的に何人も「女性の翼」を契機に、活躍の幅を広げられた方を存じ上げています。素晴らしい成果を挙げている事業だと思います。

この「第4次福岡県男女共同参画計画」34ページには、「地域コミュニティの運営における男女共同参画の推進」の項目の下、主要な事業として、「福岡県女性海外研修事業『女性研修の翼』の実施」が明記されています。

【問4】したがって、この事業を中止するということはあり得ないと思いますが、いかがでしょうか?

 

【答4】

〇県においても、女性の人材育成は引き続き必要であると考えております。

〇今回見直しを行うのは、海外派遣という研修の手法についてです。

○この理由は、①第一に、昨今、国際的なテロの突発的な発生のため、団員の安全を確保すること、そして、②参加者の海外研修への視察先ニーズが多様化していること、また、③ライフスタイルの変化や多忙などで、研修に必要な日数の確保が困難となっていることで応募者の減少がみられることによるもの。

○そのため、国内研修により女性の人材育成事業を実施するものです。

○地域女性リーダー育成という事業目的を同じくする「女性研修の翼」の後継事業の平成29年度(来年度)予算をお願いしておるところです。

○また、研修名は「女性研修の翼」の後継事業であると判るようにくふうして参ります。

○今後も、しっかりと女性団体からのご意見を聞きながら事業を実施してまいります。

 

研修先が海外から国内に変更されるとはいえ、30年を超える歴史をもつ「女性研修の翼」として、実質的に継続されるということで理解いたしました。

使い古された言葉ではありますが、「百聞は一見に如かず」です。座学やグループワーク形式の研修も重要ですが、やはり現場に足を運ぶこと。現場で、DVや性暴力にあった方々の苦しみや悲しみ、ひとり親の方々のご苦労、法や制度のはざまにおかれ理不尽な思いをされている方々など、当事者の方々の声を直接お聞きしたり、このような人々に寄り添い、社会の矛盾を解決しようとする方々が懸命に地道に活動する拠点に身を置き、活動の内容や思いをお聞きすること、そういう実地研修が大切だと思います。

【問5】では、この事業の運営体制について教えてください

 

【答5】

〇この後継事業では、国内の研修においても、しっかりと成果が得られるよう、研修内容の充実を図ってまいりたいと考えております。そのため、実行委員会形式で様々なご意見をいただきながら運営を行うことを予定しております。

〇実行委員には、『ふくおか県「翼の会」』など地域の女性団体からも参画していただきたいと考えております。

 

 初期の「女性の翼」の団員で、今年度、その方の20歳の娘さんが、お母さんの勧めもあって、参加されたと聞いています。30年を超える歴史をもつ事業ならではのエピソードだと思いました。この若い団員の方は、地域で開催する「研修報告会」についてフェイスブックで発信するなど、積極的な活動をされているそうです。

また、団員のOGの皆さんが、自発的に、『ふくおか県「翼の会」』を結成しておられ、「福岡県男女共同参画センターあすばる」が主催するフォーラムにおいて、講演会などを実施されています。県は研修事業を多数実施しておられますが、修了生がこのような活発な活動を33年もの長きにわたって続けている例は他にほとんどなく、大変貴重な活動だと思います。

【問6】そこで、県は、この「翼の会」をどのように評価されているのかお聞きします。

 

【答6】

〇この「翼の会」は、女性研修の翼の海外研修から帰国後、男女共同参画の先進国で刺激をうけた体験や、得た知識を地域などで活かし、女性の地位向上と男女共同参画社会の実現に努めることを目的に団員OGの方たちが昭和63年(1988年)に自ら結成した団体であると承知しております。

〇県といたしましても、こうした会が結成されたことが、女性研修の翼の事業の大きな成果であると評価しております。

〇また、翼の会では、県内自治体へのアンケートや市町村との意見交換など、地域での男女共同参画を推進するための活動を活発に行っておられ、今後とも、このような翼の会の活動に期待をし、また応援してまいりたいと考えております。

 

では、部長にもお聞きしたいと思います。

【問7】「202030」の実現を目指し、実質的に「女性研修の翼」を継続し、地域の女性リーダーの育成にしっかりと取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 

【答7】

○あらゆる分野で活躍できる国際的視野をもった女性を人材育成していることは今後も大事であると認識しています。

○研修先を国内にするという手法の変更はありますが、今後も『ふくおか県「翼の会」』など地域の女性団体からもしっかりとご意見を聞きながら地域女性リーダー人材育成を実施してまいる所存でございます。

 

【要望】

部長の決意、しっかりと受け止めさせていただきました。

また、男女共同参画の推進を担っている県や市町村職員の意識を高めていくことも必要であると考えます。県は、この女性人材研修への県職員の派遣を行うとともに、市町村に対して職員の派遣を呼び掛けていただくよう要望しまして、私の質問を終わります。有難うございました。

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