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2015年8月 7日 (金)

6月議会での一般質問~女性の労働環境の改善について~

 暑中お見舞い申し上げます。

いま国会では、「安全保障法制」の衆議院における強行採決や労働者保護ルールの見直しの強行など、国民の声を聞こうとしない「数の力」による政治がつづいています。戦後70年間、平和構築や人権確立にまい進してきた先人の皆さまの努力を無にしかねません。「平和国家」としての日本のイメージを損ね、ひいては国際社会における信頼感の喪失にもなりかねないこのような動きは、断固として阻止していかねばなりません。私も地方から全力を注ぎます。

さて、6月24日に次の通り、一般質問を行いましたので、ご報告いたします。国の大きな動きに翻弄されないよう、県議会では地道に質問を重ねて少しでも良い方向に動いていくよう努力してまいります。

                         2015年8月7日    県議会議員 堤かなめ


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女性の労働環境の改善について質問します。

我が会派の代表質問で述べましたように、男女雇用機会均等法が制定されてから本年で30年が経ちます。この間、多くの方々の努力によって、さまざまな改善がはかられてきたにもかかわらず、この均等法の施行後に生まれ成人し社会人となった若い人たちでさえ、いまなお、根強く残る性差別や格差に直面しています。

近年では、我が国の経済発展の阻害要因として、国内企業における女性管理職比率の低さが指摘されています。管理職に占める女性の割合は、2012年の時点で、アメリカで44%、フランスで39%、フイリピンで48%と、半数近くを占めようという勢いですが、日本ではいまだ11%、約1割にとどまっています。こうした女性人材が十分に育成され活かされていないことが問題視されるようになり、我が国でも思い切った変革の必要性が強く認識されるようになってきました。

このような管理職への登用など女性の活躍推進、およびそのための環境整備につきましては、これまですでに質問いたしましたので、今回は、労働環境の改善に絞って4点、小川知事にお聞きします。

 

1点目に、少子化・人口減少対策との関連についてです。OECDに加盟する先進34か国のデータによれば、今から45年前の1970年時点では,女性の労働力率の高い国ほど出生率が低いという傾向がありました。しかし、2000年時点ではそれが逆転し、女性の労働力率が高い国ほど出生率が高いという傾向がみられるようになりました。つまり、この30年の間に,子どもを産み育てることと仕事の両立が可能な社会環境を整えてきた先進国においては,女性の労働力率を伸ばしながら出生率も回復したということです。たとえば、フランスでは、一時期出生率が1.65にまで下がっていましたが、今では人口規模を維持する目安の2.00にまで回復しています。

一方、厚生労働省が先月5日(6月5日)に発表した人口動態統計の最新値によれば、我が国の昨年の出生数は前年よりおよそ2万人下回る100万3,532人。4年連続で過去最少を更新しました。なかでも、第2子の出生数は、前年の5分の1、2年前の12分の1に落ち込み、「第2子の壁」がますます高くなってきていることが明らかとなりました。第2子をためらう理由としては、第1子出産後に育休を取得したのに、再び取ることへの懸念など、働き方をめぐる事情があるとされています。合計特殊出生率は、国全体で1.42。本県では、1.46で、47都道府県で22位と中位レベルでした。

本県では、他県などからの人口流入による社会増が、死亡数が出生数を上回る自然減をカバーする形で人口がわずかに増加していますが、今後まもなく減少に転じると推計されています。知事は、人口減少に歯止めをかけ、活力ある社会を維持することは、総力を挙げて取り組むべき重要な課題であると捉え、「福岡県人口減少対策本部」を昨年11月に立ち上げるなど危機感をもって取り組まれています。そこで、知事にお聞きします。人口減少対策、少子化対策としても、出生率の上昇につながる労働環境の改善が重要であると考えますが、このことについてどのように認識されているのかお聞かせください。

 

2点目に、女性の継続就業についてです。正社員として職を得ても、仕事と育児の両立の見通しが立たず、第1子の妊娠や出産を契機に女性の6割もが離職しています。その場合、女性の所得は大きく変わってきます。試算によれば、正社員として働き続けた場合と、出産を機に非正規社員になった場合とでは、生涯賃金にほぼ1億円もの違いが生じるとのことです。この差額である1億円が子育ての機会費用として、未婚化や晩婚化、出生率の低下の大きな要因の一つとなっており、先に述べました通り、人口減少など地方創生にもかかわる深刻な問題をもたらすとされています。

そのため政府が昨年12月に策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、第1子妊娠・出産前後の女性の継続就業率を現状(2010年)の38%から、2020年までに55%と、5年で17%引き上げるとしています。加えて、長時間労働を抑制するため、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を現状(2013年)の8.8%から2020年には5%に引き下げる、年次有給休暇取得率を現状(2013年)の48.8%から2020年には70%に引き上げるという数値目標が設定され、適切かつ客観的に効果を検証することも盛り込まれています。

そこで知事は、女性の継続就業の状況をどのように認識されているのか、また、本県において女性が妊娠・出産を経験しながら就業を継続できる環境を整えるためにどのような取組を今後行うのかお聞きします。

 

3点目に、マタニティ・ハラスメントについてです。この言葉は、働く女性が妊娠や出産を理由に解雇や雇止めをされることや、職場で受けるハラスメントを指します。2013年5月に日本労働組合総連合会が実施した「マタニティ・ハラスメントに関する意識調査」の結果、4人に1人もの女性が被害を受けた経験があることが明らかとなり、この言葉が、社会に広く知られるようになりました。昨年の新語・流行語大賞では、略語である「マタハラ」がトップ10に入選しています。

このように認知が広がってきたこともあり、労働者からのマタニティ・ハラスメント関連の相談が増えてきています。昨年度に全国の労働局に寄せられた相談は、前年度より147件増の3,591件でした。福岡県でも増加しており、福岡労働局雇用均等室におけるマタニティ・ハラスメント関連の相談は、前年度より35件増の140件でした。いうまでもなく、これらの相談件数は、実際の被害件数の氷山の一角に過ぎません。

相談の増加を重く受け止めた厚生労働省は、先月、より厳しい姿勢を企業に示すことで被害を未然に防止するため、是正指導や勧告に従わない悪質企業の企業名公表など指導を徹底する方針を決め、全国の労働局に指示しました。

そこで、まず、県内におけるマタニティ・ハラスメントの現状について、知事はどのように認識しているのかお聞きします。その上で、女性の継続就業を促進するためにも、マタニティ・ハラスメントの根絶が急務と考えますが、知事は今後どのような対策を講じられるのかお聞きかせください。

 

4点目に、男性への働きかけについてです。女性が働きやすい職場にするためには、男性の意識が変わることが不可欠であり、男性に対する積極的な働きかけが重要です。男性の4割強は、事情が許せば育児休業を取得したいとの希望を持っているという調査結果もあります[1]。この点につきましては、昨年12月5日、我が会派の田辺議員が質問し、「子育て応援宣言企業」における男性職員の育児休業取得率の把握など新たな取組みにつながりました。12月27日には、先に述べた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定され、男性の育児休業取得率が、重要業績評価指標の一つとして盛り込まれ、現状(2013年)の2.03%から、2020年には13%にまで引き上げることが明記されました。

北九州市では、2013年度に6%だった男性職員の育児休業や育児短時間勤務制度等の取得率について、2019年度までに20%にまで引き上げるとする数値目標が設定されています。また同市では、市の管理職、課長級以上の全員である約560人が5月19日に「イクボス宣言」をし、育児休業を取りやすい環境づくりなどの取組みが始まっています。

本県においては、仕事と子育ての両立を支援する施策として「子育て応援宣言企業」の拡大に取り組んでおられます。そして今後は、この取組みの中で男性の育児参加などにも重点を置き実施すると聞いております。

そこで、知事にお聞きします。子育て応援宣言企業の取組みの中で男性の育児休業取得率を上げていくために今後どのような取組みをされるのかお聞かせください。また、県職員の育児休業の取得率についても意欲的な数値目標を掲げ、その達成に向けた取組みを確実に行うべきであると考えますが、知事のお考えをお聞かせください。

以上、4点につきまして、小川知事のやる気に満ちたご答弁を期待します。どうぞ宜しくお願いいたします。

【知事の答弁】

■出生率の上昇につながる労働環境の改善について

〇人口減少対策を進める上で、出生率の向上は大変重要な課題である。このため県では、若者が結婚や子育てに夢や希望をもち、子どもを安心して生み育てることができる社会づくりに向け、全庁を挙げて取組みを進めているところ。

〇特に、雇用労働分野においては、若者の就職支援や正規雇用の促進による経済的基盤の確保、男性の育児休業の取得促進や長時間労働の抑制による仕事と子育ての両立、といった労働環境の改善が重要であると認識している。

■本県における女性の継続就業について

〇平成22年(2010年)の国の調査によると、第1子出産前後の女性の継続就業割合は38%に止まっており、約6割の方が妊娠・出産を機に退職する状況にある。

 女性が、妊娠・出産後もやめることなく、それまでの雇用形態を維持して働き続けることができれば、その方の就労は安定し、培ってきたキャリアや経験を発揮して活躍することにもつながる。

 このことから、女性が仕事と子育てを両立しながら働きつづけることができる労働環境の整備は大変重要であると考えている。

〇県では、男女がともに子育てをしながら社会で活躍できる環境づくりを目指し、「イクメン講座」や「イクボス講座」の開催など、男性の子育て応援事業にとりくんでいるところ。

〇また、企業のトップ自らが従業員の仕事と子育ての両立支援を宣言する「子育て応援宣言企業」の登録拡大に取組み、結婚や妊娠や出産をしても働き続けることができる職場づくりも進めている。

宣言企業は現在5,121社を数え、これらの企業においては、従業員の育児休業取得やノー残業デーの推進、短時間勤務制度の導入など、職場の実情に応じた取組みが進められているが、今年度からは、さらに、男性の育児参加を推進する取組みにも力を入れていく。

〇今後ともこうした取組みにより、女性が妊娠・出産後も継続して働き続けることができる労働環境の整備に努めていく。

■マタニティ・ハラスメントの現状認識と今後の対策について

〇本県におけるマタニティ・ハラスメントに関する相談件数は近年、増加してきている。

 妊娠、出産等を理由とする不利益取り扱いは、男女雇用機会均等法違反であることはもちろん、女性が希望を持って働くことを阻害するものであると考えている。

〇県では、マタニティ・ハラスメントの問題に対して、県内4か所に設置する労働者支援事務所での労働相談において、関係法令に係る助言などの支援を行っている。こうした取組みに加え、今年度は企業や事業所の代表者・人事担当者を対象にマタニティ・ハラスメントをテーマに研修会を開催することとしている。

 また、子育て応援宣言のサイトにおいて、マタニティ・ハラスメントに関する制度説明や事例紹介の内容を拡充することとしている。

〇こうした取組みに加え、今年度は企業や事業所の代表者・人事担当者を対象にマタニティ・ハラスメントをテーマに研修会を開催することとしている。また、子育て応援宣言のサイトにおいて、マタニティ・ハラスメントに関する制度説明や事例紹介の内容を拡充することとしている。

■男性の育児休業取得率を向上させるための取組みについて

〇平成25年度に実施した県の調査では、本県民間企業の男性の育児休業取得率は、0.6%に止まっており、男性の育児休業取得を促進する取組みを強化していく必要があると考えている。

〇このため、子育て応援企業において、今年度から新たに、宣言書や広報チラシに「男性の育児参加」を取組み事項として明示し、男性の育児参加に積極的に取り組んでもらえるよう、働きかけを行っていくこととしたところ。

〇加えて、子育て応援宣言の優良企業知事表彰において、「男性の育児参加促進」の取組みを表彰基準に追加し、積極的に顕彰していく。

〇さらに、男性が育児参加しやすい職場づくりの参考となるよう、先進的な企業の取組み事例や活用できる制度、関係法令などを盛り込んだ手引きを新たに作成し、宣言企業をはじめ県内企業に配布することとしている。

 

■男性職員の育児休業等の取得について

〇県では、次世代育成支援対策推進法に基づき、事業主としての行動計画を策定し、特に男性職員の育児を促進する観点から、知事部局における男性職員の育児休職等の取得率について、数値目標を設定している。

〇昨年度までの計画における数値目標5%に対し、平成26年(2014年)度実績は、この目標値を上回る7.6%。今年度策定した新たな計画では、31年度までに15%以上という数値目標を掲げている。これは、昨年度実績の約2倍に相当する高い目標であると考えている。

〇男性職員が育児休業等を取得しやすい環境づくりのため、これまでもリーフレットや庁内ウェブ等による、育児に関して男性職員が取得できる休暇や休業制度等の周知、研修等を通じた、管理職をはじめとする職員全体の意識醸成、子どもが生まれる男性職員とその上司による出産・育児に係る休暇等の計画策定等に取り組んできた。

 

【指摘と要望】  

指摘と要望させていただきます。

「子育て応援宣言企業」についての取組みについてお答えがありました。本県における宣言企業の女性の育児休業取得率は96、2%ですが、この数値には、育児休業を取る前に、妊娠がわかって退職した女性は含まれていません。全国的には、第1子の妊娠・出産を機に6割もの女性が仕事を辞める状況は、均等法後のこの30年ほとんど変わっていないことが把握されていますが、本県でも、より適切な指標として、妊娠判明時からの継続就業率を把握し、女性の労働環境改善の評価指標とすべきであることを指摘させていただきます。

また、働く女性の6割が非正規雇用であり、その中には、ひとり親で子育てをしている方も多くおられますが、非正規雇用の方々が働く職場の大半には、そもそも育児休業制度がありません。このような、活躍したくてもなかなか活躍できない環境に置かれている方々の状況の改善を最優先にすべき考えます。すなわち、同一価値労働同一賃金の導入や最低賃金の引き上げなどによる格差是正や貧困の解消、阻害要因となるハラスメント、DV、性暴力の根絶であり、つまりは、我が会派が代表質問で質しました男女共同参画社会の実現です。吉村代表が厳しく指摘しましたように、行政推進会議を通じて、県民幸福度日本一を掲げる小川知事にふさわしい、より強力なインセンティブの付与など意識啓発にとどまらない実効性のある日本一の第4次計画を策定するのみならず、行政推進会議の場を通じて、全庁あげて全力で包括的に取り組んでいただきますよう心より要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

ご清聴有難うございました。

 

 

 

 


[1] 平成18年国民生活白書

http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h18/01_honpen/html/06sh020203.html

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