2018年9月20日 (木)

2018年9月20日一般質問「地球温暖化対策について」

 

地球温暖化対策ついて、4点、知事にお聞きします。

 

1点目に、地球温暖化の現状認識についてです。

この夏、日本そして北半球の多くを猛暑や豪雨が襲いました。世界気象機関(WMO)は、7月24日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で記者会見し、世界各地で記録的な猛暑が広がっていると発表しました。また、同機関は、先の7月の西日本を中心とした豪雨災害も含め、一連の異常気象は「温暖化ガスの増加による長期的な地球温暖化の傾向と関係している」と分析しています[1]

地球温暖化は、人類全体にとって大きな脅威であり、地球規模で取り組むべき問題であります。従来の水質汚濁、大気汚染などの環境問題は、いずれも工場などの特定の汚染源があり、その周囲の河川、大気などが汚染されるというものでした。このため、原因の特定もある程度容易で、法律による規制などの対策も取りやすいといった特徴がありました。

しかし、地球温暖化問題は、特定の個別の原因がある訳ではなく、いわば人間の活動の活発化が原因といえるものです。さらにその影響が、ある特定の地域ではなく、地球規模であるがゆえに対策が非常に難しい問題といえます。

とはいえ、気温上昇が加速化している中、今、解決へ大きな一歩を踏み出さなければ、地球は後戻りできない大きな変化に見舞われることになりかねない状況にあると言われています。 

そこで、知事にお尋ねします。本県の地球温暖化の現状およびその県民生活への影響についてどのような認識をおもちなのかお聞かせください。

 

【知事の答弁】

○ 福岡管区気象台の発表では、県の年平均気温は100年で約2.54度上昇し、最高気温が30度以上の真夏日は10年で約1.4日増加している。

また、降水量100ミリ以上の日数も増加傾向にあり、温暖化が進んでいるものと思われる。

○ こうした気候の変化に伴って、夏季の気温上昇による熱中症患者の増加、米や果樹など農作物の品質低下、さらには集中豪雨による水害や土砂災害の頻発など、県民生活の様々な面で、その影響が生じていると認識している。

 

2点目に、温室効果ガスの排出の抑制についてです。

本県は、2006年3月に、「福岡県地球温暖化対策推進計画」を策定し、昨年3月には、県民・事業者・行政などの各主体がさらに積極的に地球温暖化対策に取り組むための指針となる「実行計画」を新たに策定しました。

同実行計画においては、地球温暖化対策について、地球の温度上昇を抑制する「緩和策」と、実際の気候変更に適応する「適応策」の両面から考える必要があるとしており、「緩和策」は、さらに、二酸化炭素など温室効果ガスの「排出削減」と「吸収源対策」の2つに大別されています。

本県における温室効果ガスの排出量は、県が直近にまとめた実績では、2013年度から2015年度までの2年間で7%削減されており、着実に削減が進んでいる状況にはあります。しかしながら、この計画では、2030年度において2013年度比で26%削減することを目指しており、県として今後さらに削減に向けた取組をすすめていく必要があります。

そこで、知事は、本県における温室効果ガス排出量削減の目標達成のため、どのような取組を行うのかお聞かせください。

 

【知事の答弁】

○ 県の地球温暖化対策実行計画の目標を達成するためには、産業部門に比べ二酸化炭素排出量の削減が進んでいない、家庭及びオフィスなどの事業所における取組みを、一層推進することが重要であると考えている。  

○ このため、昨年度から、省エネ・節電に取り組む家庭を支援する「エコファミリー応援事業」を大幅に拡充し、家庭での自主的な取組みを促しているところである。

  また、事業所に対しては、省エネ相談や省エネ講座の開催に加えて、今年度から新たに、企業のトップに直接、省エネを呼びかける経営フォーラムを実施し、県内事業所における省エネの取組みを支援しているところである。

 

○ さらに、これらの施策の推進にあたっては、全庁横断的な連絡調整会議を活用し、毎年度、進捗状況を点検・評価しながら、本県の地球温暖化対策にしっかり取り組んでいく。

また、同実行計画では、吸収源対策として、①森林の適正管理、②まちの緑の創造、③二酸化炭素固定化のための県産材の長期的利用、④農地土壌炭素吸収源対策の4つ柱を掲げています。これら4つのいずれも重要な対策ですが、今回は、そのうち「まちの緑の創造」および「農地土壌炭素吸収源対策」の2つについて、以下質問します。

 

3点目に、「まちの緑の創造」についてです[2]

国が2016年に策定した「地球温暖化対策計画」では、2030年度において、都市緑化等によって年間910万トンの二酸化炭素の吸収量を確保することを目指すとしています。

加えて、緑地は、直射日光の遮断や蒸発散作用等により気温の上昇を抑える機能を有しているため、都市部の気温を低減させる役割も有しており、ヒートアイランド現象の緩和という点からも重要と考えます。

しかしながら、近年では、「まちの緑の創造」どころか、都市部の緑がどんどん少なくなってきているように感じます。かつては、子どもたちが鬼ごっこや草野球で遊んでいた「原っぱ」があちこちに点在していましたし、こんもりとした緑に囲まれた一戸建ての家々も少なくありませんでした。ところが、今では、空き地が次々にアスファルトで固められた駐車場となったり、草取りや落ち葉掃除が大変といった理由などから庭木の緑を維持する家庭が減ってきているように思います。

県では、「県有施設の緑化」や「都市公園の整備」などを通して緑の創造に取り組んでおられますが、公有地だけでなく、民有地の緑化も非常に重要と考えます。

そこで、都市部における民有地の緑化の促進について、県として、どのように取り組んでいくのか知事にお聞きします。

 

【知事の答弁】

○ 都市部の緑化を促進するため、土地所有者間の合意により緑化に関する取り決めを行う緑地協定や、市町村などが、土地所有者と契約して緑地や緑化施設を設置・管理する市民緑地などの制度がある。

○ 県では、これまで、市町村に対し、緑化に関する会議や研修を通じて、これらの制度の周知を行っており、現在、県内において、緑地協定が9市町94件締結され、市民緑地が1市2箇所設置されている。

○ 今後も、民有地の緑化の促進に向け、さらに多くの地域で、これらの制度を活用していただけるよう、市町村に働きかけていく。

 

4点目に、「農地土壌炭素吸収源対策」についてです。

実行計画には、堆肥などの有機物を投入した土づくりを推進することにより、農地土壌による炭素の貯留を促進することが掲げられます。

これは、大気中の二酸化炭素を吸収した植物を、緑肥あるいは堆肥として土壌にすき込むことで、一旦、二酸化炭素を炭素の形で土の中に貯留し、その後、堆肥が土壌の微生物により分解されることで、二酸化炭素がゆっくり大気中に放出されるというものです。

今月12日の新聞には、農林水産省が、緑肥の作付けや堆肥の施用などに取り組む農家らを対象とした「環境保全型農業直接支払制度」の中間評価をとりまとめた、との記事が掲載されていました。この制度は、化学肥料や化学合成農薬の施用を5割以上低減する取組と合わせて、地球温暖化防止などの営農活動に対して支援するものです。同省は、有機栽培や緑肥のすき込みにより、この制度に基づく取組だけでも、大気中の温室効果ガスの排出量を年間15万トン削減できると試算しています。

そこで、知事に伺います。堆肥などの有機物の施用は、二酸化炭素の吸収源として有効な取組だと思いますが、農地への堆肥の施用を、現地でどのようにすすめているのか、また、環境保全型農業直接支払制度の本県の活用状況についても、あわせてお答えください。

 

【知事の答弁】

○ 堆肥の施用は、農地土壌へ炭素を貯えることにより、二酸化炭素の排出抑制に寄与する。

また、土が軟らかくなり、作物の根の張りがよくなるとともに、肥料の効きが長く緩やかになる効果もあることから、作物の安定生産につながる。

このことから、施用にあたっては、普及指導センターが作物毎に施用基準を設定し、生産者に対して、栽培講習会などを通じて適切な施用を図っている。

○ 環境保全型農業直接支払制度は、化学肥料及び化学合成農薬を5割以上減らすとともに、地球温暖化防止につながる堆肥を施用するなどの取組みに対して、助成するものである。

県では、これまで、市町村や生産者に対して説明会を開催し、制度の活用を働きかけてきたところである。その結果、地球温暖化防止につながる取組面積は、平成24年度の595ヘクタールから、29年度には、約7割増の998ヘクタールに拡大している。

 


[1] 日本経済新聞2018年7月25日

[2] 「戸建住宅の植栽モデルプランを用いた庭木のCO2削減効果の評価」日緑工誌34(1), 121-126, (2008)

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